FXのチャート分析に必要な手法を体系的にまとめています(全8回)
- 手法編① 総論
- 手法編② ローソク足の使い方
- 手法編③ 大きな相場の流れ(トレンド・もみあい・レンジ)と200MA ⇒ いまここ
- 手法編④ エリオット波動
- 手法編⑤ フィボナッチ分析の数値設定と使い方
- 手法編⑥ トレンドラインと山三つライン
- 手法編⑦ ストキャス・水平線・その他
- 手法編⑧ レンジ相場の判断と対策
また日々のトレードでは、実際に分析をしながらリアルタイムでトレードしている画像をアップしていますので、学習の参考にしてください。
目次
トレンド・もみあい・レンジの定義について
ローソク足は一番小さな単位の分析でしたが、一番大きな単位での分析はトレンドが出ている相場なのか、そうではないのかを判断することです。
トレンドが出ていない場合はもみあい・レンジということになるわけですが、レンジというのは結構明確に定義してレンジ用の手法を使わないといけないのでここでは『トレンドが出ていない=もみあい』という意味合いで使います。
つまり、もみあいの相場の中にレンジも含まれるので言葉の意味としては
『 もみあい > レンジ 』
ということで話を進めていきます。そして、簡単なのがトレンドの認識なので最初にトレンドの判断について書きます。
トレンドの意味・定義と200MA
トレンドの意味・定義
トレンドは上昇トレンドと下降トレンドがありますが、以下上昇トレンドの場合を書いていきます。下降トレンドは買いと売りを逆にするだけでOKです。
上昇トレンドとは
『①高値と安値が切り上がってどんどん値段が上がっている状態』のことです。
なので『②高値が切り上がってるのに安値が下抜けていたらその波は上昇トレンドではない』ですし、
『③安値は切り上がってるけど高値は切り上がってなければその上げは上昇トレンドではない』です。
実際のチャートで見ていきましょう。赤い線の間のチャートで区切って考えます。
『①高値と安値が切り上がってどんどん値段が上がっている状態』

これは典型的な上昇トレンドです。高値と安値が切りあがって価格が上がってます。
『②高値が切り上がってるのに安値が下抜けていたらその波は上昇トレンドではない』

高値②までは上昇トレンドと考えることは可能ですが、安値③が安値②を割り込んだので全体としてみると上昇トレンドと考えることはできません。
ただ、例えばこういうケースもあります。

トレンドAを考えていて、安値④が安値③を下抜けたのでトレンドが終わった、もしくは上昇トレンドではないな、と考えていたら安値Bから高値Bで高値更新してきたので、思っていたよりも一つ大きなサイズでの上昇トレンドだった、みたいなこともあります。
トレンド1つとっても簡単なようですがまったく同じパターンが繰り返されるわけではないので、相場状況に応じて適宜判断できるように練習していく必要があります。
『③安値は切り上がってるけど高値は切り上がってなければその上げは上昇トレンドではない』

安値は①から②になって切りあがっていますが高値②が高値①を超えられないので全体として上昇トレンドと考えることはできません。細かく見て安値①から高値①までを上昇トレンドとみることは可能です。
以上が一番単純なトレンドの定義になります。そして、私は分析する時に上昇トレンドという場合にはもう一つ条件を付けています。それは200MAを割り込まずに上昇していることです。
200MAとトレンド判断
『トレンドの意味・定義』で説明したローソク足のトレンド判断に加えて200MAを割り込まずに上昇していることを私はトレンドの条件にしています。したがってチャートだけ見ると上昇トレンドでも200MAを割り込んだら上昇トレンドは終わりです。波が切り上がっていたとしても終わりです。
実際のチャートを見てみましょう。1時間足を使っています。赤いラインの時点が現在の時点だとしてトレンドの相場か、もみあいの相場かを判断してみてください。

これはローソク足も上昇トレンドですし200MAを割り込んでいないので上昇トレンドです。上昇トレンドの起点は通常200MAの下側から始まりますのでトレンドの根っこの所が200MAより下側から始まってるのはOKです。いくつか見てみましょう。

直前の相場は上昇トレンドですが200MAを割り込んで下げてきたので赤いラインの時点ではもみあいの相場を考えます。

これもローソク足は上昇トレンドですが、200MAを割り込んでから上げてきているので赤いラインの時点ではもみあいの判断です。

これも1時間足ではもみあい判断です。ただこの状況で4時間足を見てみましょう。

4時間足では上昇トレンドです。4時間足レベルでは上昇トレンドなんだけど1時間足で見るともみあいになっている、みたいなケースはよくあります。
つまりその時間足のレベルでのトレンド判断は何か、ということなので4時間では上昇トレンドだけど1時間で見るともみあいだよな、という環境認識になるということです。その時間足で見たトレンド判断を行うために200MAを使います、と言い換えることもできます。
以上がトレンドの判断のための基本的な解説です。
もみあい・レンジの定義
トレンドに対してトレンド以外の相場は全部もみあいです。トレンドの相場でなければ全部もみあいなのでもみあいに定義はありません。トレンドが出てないということです。
レンジはちょっと難しいので後で項目を作って書きます。とりあえずこれでトレンドともみあいの意味を定義して、その違いを判断できるようになりました。
次回はエリオット波動について書いていこうと思います。