FXのチャート分析に必要な手法を体系的にまとめています(全8回)
- 手法編① 総論
- 手法編② ローソク足の使い方 ⇒ いまここ
- 手法編③ 大きな相場の流れ(トレンド・もみあい・レンジ)と200MA
- 手法編④ エリオット波動
- 手法編⑤ フィボナッチ分析の数値設定と使い方
- 手法編⑥ トレンドラインと山三つライン
- 手法編⑦ ストキャス・水平線・その他
- 手法編⑧ レンジ相場の判断と対策
また日々のトレードでは、実際に分析をしながらリアルタイムでトレードしている画像をアップしていますので、学習の参考にしてください。
目次
一般的なローソク足の解説
チャート分析にはローソク足を使います。
ローソク足とはある決まった時間の値動きを記録したものです。5分足なら5分、1時間足なら1時間の値動きが1本のローソク足で表示されています。
表示されている内容は『寄り・引け・高値・安値』です。
白い足は寄りより引けが高い場合。黒い足はその逆で寄りより引けが安い場合。
実体の高値安値が寄りと引けの価格で表示されてヒゲで高値安値が表示されます。ヒゲがない場合は実体が高値安値です。
MT4ではカーソルを合わせると右下に『寄り・引け・高値・安値』の数値が表示されます。
以上がローソク足のルールで最低限の知識です。
ローソク足の形を分析していろいろ解説しているものも多いです。ただ、例えばなんとか足の形だから買おうとか、なんとか線だから下に行くだろうとか、そのようなローソク足自体で何かを判断するような分析を私は採用していません。
もちろんそういった分析をされている方が間違いということではなくて、私はストキャスを使ってませんとか、ボリンジャーバンドは使いませんとか、200MAは使いますが75MAは使いませんとか、そのような取捨選択の一部です。
今上げてるのか?下げてるのか? ローソク足の使い方 解説編
さて、チャートを見るときの最小単位の値動きというのは1本のローソク足になります。ローソク足の連続がチャートになっていきます。
私たちはトレードして利益を上げたいので、チャートが上がるのか下がるのかを予測したいわけです。
したがって、値動きの最小単位であるローソク足で考えた場合に、上がる、下がる、というのは具体的に何のことなのか、最初に定義を明確にしたいと思います。
当然ですがトレードする時には『このトレンドラインから上がったら売ろう』とか『何かのポイントから下げてきたので買おう』とかそういう話になっていくので、その時に定義を明確にしておかないと、一貫した分析をすることが難しくなってきます。
そして結論から言いますと
- 陽線引値が直近のローソクの実体高値より高いローソクから上げ判断
- 陰線引値が直近のローソクの実体高値より安いローソクから下げ判断
- 5分足のみ上の2つに加えて3MAクロスしたローソクの引けで判断
という原則で私は分析しています。そして、私はこの原則を基準にしてすべてのチャート分析を行っています。
ローソク足の使い方 実践編 5分足以外
それでは実際にチャートを見て判断してみます。ローソク足は基本的に日足・4時間足・1時間足・5分足を使いますが、5分足だけ若干違う考え方なのでとりあえず1時間足でやってみましょう。
以下の画像はランダムな1時間足です。ShiftChartで表示している赤い縦ラインの時点で、その一つ前のローソクまで確定していると考えて、現在ローソク足が上げてるのか下げてるのか判断してみてください。画像はクリックすると別ウインドウで拡大できます。

はい。これはどう見ても下げてます。次はどうでしょう。

全体的には下げてるように見えますが、よく見ると今の段階では陽線が確定した状況です。1つ前のローソクの陽線の引け値を引けで抜けてます。したがって赤い縦のラインの時点では1hは『上げ判断』です。まだいくつかやってみましょう。

ここも同じような感じなので『上げ』です。

ここは逆で直近上昇してきている感じですが陰線引けが前回陰線の引け値をした抜けて下げが確定しているので、このローソク確定から『下げ判断』です。
こんな感じです。何に使うかまだ分からないと思いますのでとりあえず『こういう風な考え方もあるのか』程度でいいです。後でわからなくなったらここに戻ればいいだけです。基本的に日足・4時間足についても1時間足と同じ考え方でOKです。
ローソク足の使い方 実践編 5分足
解説編で説明したローソク足の判断の原則は
- 陽線引値が直近のローソクの実体高値より高いローソクから上げ判断
- 陰線引値が直近のローソクの実体高値より安いローソクから下げ判断
- 5分足のみ上の2つに加えて3MAクロスしたローソクの引けで判断
ということでした。5分足だけは事情があって違う考え方をしますので追加で説明します。ちょっとした事情は別項目で書こうと思ってるので今は気にしないでください。
5分足の場合は1時間足でやったの上げ下げの判断に加えて、上げの場合は陽線・下げの場合は陰線が3MAを抜けたローソクの引けで上げと下げの判断を行います。いくつか例を出します。

これは1時間足だと上げですが陽線引けが3MAをクロスしてないのでまだ5分足では下げです。

この陽線か1つ前の陽線で3MAを引けで抜けたのでここからが上げ判断です。微妙な時は拡大して確認するといいです。それでも微妙な時は各自でルールを決めて判断したらいいと思います。私はちょっとでもローソク引けのラインが抜けてたら抜け判断していますがその辺は裁量でいいかな、と思います。もう1つやってみましょう。

直近上昇していますが、反転した陰線が前回陰線引けより安い値段で引け+3MAクロスなのでこの陰線から下げ判断です。
ローソク足の使い方 実践編 窓
以上がローソク足の基本的な使い方ですが、実際の相場だといくつかイレギュラな対応を必要とする場面があります。その代表的なものが『窓』です。例えばこういう場面です。

値段が引けで飛んだ時チャートはこういう形になります。週明けや海外時間の24時(日本時間の朝)の引けなどでよく発生します。特に難しい話ではないのですが、窓が開いた場合は空いた窓を1つのローソク足と考えるとうまくいく場合が多いです。次の図のような感じです。

それ以外にも若干イレギュラな場面はあるのですが今回は基本編なので、基本だけさらっと理解してもらえればいいですので、とりあえず私のローソク足の基本の使い方はこんな感じになります。適宜必要に応じて書いていきたいと思います。
今回はチャートの最小単位であるローソク足について書きました。次回は大きなチャートの流れの分析について書いていきたいと思います。
⇒ 次回:FXチャート手法編③ 大きな相場の流れ(トレンド・もみあい・レンジ)と200MA