チャートを分析したらシナリオを立ててトレードをしましょう、と言われていますが、そもそもシナリオって何?という疑問があると思います。シナリオとは何か、どうして必要なのか、どうやってシナリオを立てるのか、考えてみました。
そもそもシナリオって何?
簡単に言えばチャートを分析(=環境認識)した上でその環境認識に基づいてその後の展開を予測することです。何のために予測するのかといえばトレード、つまりエントリーをするためです。
したがってもう少し具体的に考えれば、現在の価格から上がるのか下がるのかを予測することはあまり意味がなくて、例えば『上げた先でどういう動きになったらエントリーパターンになりそうだ』とか、『ここから下げてきたら売りも買いもできなそうだからしばらく放置しないといけないな』とか、今後の動きを場合分けして動いた先の対応について想定しておく、ということになります。
トレードをするためにシナリオはどうして必要なのか
準備が必要だからだと思います。
理屈の上ではある程度決まったエントリーパターンがあるわけですから、シナリオなんか書かなくてもエントリーの形になったらエントリーすればいいじゃん、ということになります。これは正しいと思います。そしてそれでOKなら特にシナリオを立てる必要はないわけです。見たときにエントリーパターンになりそうならやればいいし、そうじゃなかったらしばらく放置してまた後で見ればいい、ということになります。
ただ、結局エントリーの判断はトレードはチャートにラインやインジケーターを引いて分析をした上で行うものです。そしてだいたい分析も2-3分で終わるものではなくて、あーでもないこーでもないと少なくとも2-30分くらいはいろいろラインを引いた上で、このラインとこのラインがわからないけどどっちが効くのかなー、とかエリオットが重なってるけどどうするかとか、どっちの高値を使うべきかとか、分析し終わった後でもいろいろわからない中でチャートの値動きを見て都度都度で判断していくわけです。
ですから、例えば今チャートを開けたら思いっきりエントリーパターンの形をしていたのでエントリーしました、みたいなことがあったとします。(これ個人的には結構よく発生します)
でもそれって結局全体の分析をちゃんとせずに直近のチャートの形だけを見て判断していることになるわけですから、結果としてはエントリーした後でここが間違ってたとかこのラインがあったとかそういうことが当然出てきます。つまり間違ったエントリーになってしまっているということです。
当然正しいエントリーをしないとその時はうまくいったとしても長期的には勝てないですからミスや間違ったトレードは減らしていかなければならないので、そのために分析の時間をちゃんと取って、環境認識をしっかりして、シナリオを立てることで準備をして、その上でトレードをしなさいよ、ということだと私は理解しています。
シナリオの立て方はどうしたらいい?
私の場合はまずチャートを分析して環境認識をして、今の状況で2-3時間以内(つまり1時間足2-3本以内)にエントリーパターンになる可能性があるならそのパターンに集中します。エントリーパターンになるならエントリーするし、ならないならエントリーしない、という判断を行います。その際に以前の同じようなパターンのトレードを見返して以前間違ったところや注意点などを見返したりして参考にしたりしています。
この場合はそんなに多くのシナリオを立てる必要もないのですが、前述のようにチャートを開けてからの時間があまりないので単純なミスをしないように注意して判断を行います。
今の状況でエントリーパターンになりそうになければ、今後の動きに応じて立ち回りを考えなければいけません。これが俗に言われているシナリオってやつだと思います。
ただチャートというのは意外と単純なので、当たり前ですが今後の動きといっても3パターンしかありません。上がるか、下がるか、そのままか、ということです。現在の状況が自分のエントリーパターンに当てはまらないのであれば当然その時点ではエントリーはしないわけなので、今後の値動きを予測することは意味がありません。大事なことは今はエントリーしないということと、次の展開になった時にエントリーパターンになる可能性はあるか、ということです。
そして、簡単に考えれば今後の値動きは3パターンしかないわけですから最低限3パターンの値動きを想定して、その先に発生する可能性のあるエントリーパターンを予測しておけばいいわけです。
以上、FXのシナリオについての考察をしてみました。実際に毎日立てているシナリオは随時こちらにアップしていますので、もしご興味のある方がいらっしゃれば参考にしてみてください。